小屋閉め直前 駆け込み常念岳の記録
2018年11月3日(土)-4日(日)、1泊2日で長野県安曇野市から常念岳に登ってきた。
この時期の北アルプスは、山小屋も続々と営業を終えているためか登山情報も少なめ。
常念小屋もこの日が小屋閉め日今回は、11月上旬のコース状況を中心に旅を振り返る。
行程表
今回は一ノ沢から常念岳の往復、一番王道のルート。一ノ沢駐車場から登山口までは、舗装路を20分程度登る。
登山口から王滝ベンチまでは、なだらかな登山道。そこから胸突八丁までもそこまで坂はきつくない。胸突八丁からは高度を上げるが、体感としてはそこまで大変なルートというわけではなかったと思う。
1日目
一ノ沢駐車場へ
夜中の4時前に駐車場へ到着。ハイシーズンとは様相が異なり、土曜の朝方(金曜深夜?)にも関わらず、駐車場の半分も埋まっていなかった。
夜が明けてもまだスペースはあった。
駐車場は第一駐車場と、この手前に第二駐車場。第二駐車場に関しては駐車スペースといった感じで、合わせても50台駐車できるかどうかというところ。
登山開始
駐車場からは、20分程度右手の道路を歩く。
登山口
7時20分に登山口到着。トイレと登山届けを出す場所がある。タクシー乗り場もここにあった。事前に呼んだタクシーは、ここまで迎えにきてくれるのか。
やっぱり今日が小屋の営業最終日。
もう一度身支度を整え再び出発。気温も風がなければレインウェアでなんとかなる。
また、登山道はいたってなだらか。特にこの辺りでは積雪も見当たらない。
登山口から0.5km歩くと、山の神といわれる鳥居が現れる。写真は撮り忘れた。
ここから次の目標の大滝ベンチまでは、ずっと同じような登山道。
特に急なところはないし、道も分かりやすい。
ちなみにこの一ノ沢ルート、名前のとおりほぼ沢沿いを歩く。
大滝ベンチ
大滝ベンチに到着、出発から1時間半くらい。
ここを過ぎたあたりから、脇道に雪が現れてきた。
さらに進むと、完全に沢沿いになった。また、道も雪を避けては通れなくなる。
この沢に出たあたりからはずっと雪。アイゼンを着けるなら、このタイミングが良し。
胸突八丁
胸突八丁に到着。奥に看板が写っている。ここからは少し坂が急に。
地面を見ても分かるように、この時期のノーアイゼンは無謀。カチカチに凍っている。自分は12本アイゼンを装着したが、少なくとも6本爪は必携。
最終水場を通り過ぎ、第1ベンチに到着。
第1ベンチで常念乗越(常念小屋)まであと800m、第2ベンチであと500m、第3ベンチであと300mだったと思うが、第1から第2までの距離がだいぶ長く感じた。本当に距離計測正しいんだろうか。
第3ベンチを過ぎればもう稜線はすぐそこ。左手が常念岳方面。
常念乗越
駐車場から約4時間で、常念乗越に到着。
前に見える赤い屋根は常念小屋で、この日が営業最終日。今日はここに宿泊する。
中はこんな感じ。山小屋グッズも締め作業の影響か、品揃えがまばら。
部屋は大部屋ではなく、10人以下程度の小部屋がいくつもある感じだ。
受付を済ませ荷物を置き、常念岳へ向かう。
この方面を登るが、ここから見える先は山頂ではない。
もう一つ登った先が常念岳の山頂。
ここの道もしっかり雪が積もっている。結構な坂でたまに浮石もあるので、注意が必要か。
こんな道をつづら折りに登ること1時間。
常念岳
山頂から振り返り、大天井岳・燕岳方面。
今日はここまでで引き返すが、山頂を越えてさらに進むと蝶ヶ岳方面へ続いていく。
また、常念岳は安曇野市街から距離が近く、山頂からも市街地を見下ろせる。
3000m級の山頂から直接街中が見渡せると、高山にいるのに近所の低山を登っているような、不思議な気分になる。
小屋へ引き返す下り道も注意が必要。急坂のため、浮石に乗ってしまうと転げ落ちる。
小屋に戻って今日はゆっくりしようか。明日は下山のみだから。
2日目
下山
日曜日の朝、綺麗なご来光は見えなかったが、神々しく安曇野の街に光が差し込む夜明け。
常念小屋、お世話になりました。
帰りは行きと同じ道を引き返すのみ。
下山の際の確認ポイントは、
第3ベンチ〜第1ベンチ→最終水場→胸突八丁→大滝ベンチ→山の神→登山口→駐車場
の順番だ。
胸突八丁と大滝ベンチの途中あたりで沢沿いから林道に変わる。12本アイゼンも同じタイミングで外した。
沢沿いはこんな感じ。
林道に差し掛かると、雪は消滅する。
下りは小屋から3時間ちょっとで登山口。
行きと同様15分ほど歩いて駐車場へ帰着。晩秋の常念岳、登了。
コース回顧
11月上旬の常念岳は、アイゼン必須。
特段きつい道ではなかったが、雪の状況によっては慎重な登山が必要。
特に沢沿いの雪がカチカチに凍っている箇所や、胸突八丁から常念乗越の間にある木製の梯子などは滑ったり引っかかって転倒しそうになることがあったので、少し注意した方がいいかもしれない。