散切り頭を叩いてみれば

散切り頭を叩いてみれば

山と旅行の見聞録

散切り頭を叩いてみれば

クチャンベツ沼ノ原は空高く 辺境のトムラウシは秋色深し(前編)

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2021年9月、大雪山系は紅葉の真っ盛り。

目指すはずっと前から登頂機会を狙っていたトムラウシ山

王道のトムラウシ温泉からではなく、クチャンベツ沼ノ原登山口から訪れた往復40kmの旅程は圧巻だった。

北海道の大地の雄大さが詰まった山行をここに振り返る。

 

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シルバーウィーク初日、空の上。

 

出発日が台風上陸日と鉢合わせてしまい、数日前から気象情報とずっと睨めっこしており、一度は諦めかけた北海道。

 

台風の進路に出発直前まで一喜一憂しつつ、なんとか暴風域を免れて無事離陸。

 

念願の旅が迎えられたことにほっと一息をついた。

 

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北海道とはいえ、関東から東北の東側へ抜けていく台風の影響がないとはいえず、空港の外は雨模様。

 

ただ、予報では天気は尻上がり。

午後からは晴れに変わるらしいので、あまり心配はしていない。

 

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案の定天気予報どおり、移動中にはすっかりどす黒い雲は去り、徐々に青空も見えてきた。

 

目まぐるしく変わる天気にはいつも振り回されるが、好転の場合は喜びも大きい。

 

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明日の朝からの登山予定のため、本日はただの移動日。

 

新千歳空港でレンタカーを借りたあとは、登山口に近い旭川に移動して前泊する。

 

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飛行機に持ち込めなかったガス缶は、前日中に忘れずに入手。

 

旭川で訪れた秀岳荘は各メーカー各サイズ取り揃え豊富で完璧な登山用品店だった。

 

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日も暮れて、ここは夜の旭川駅前。

 

北海道第二の都市も、9月下旬の夜ともなれば風も冷たく人通りもまばら。

 

北の大地では短い秋もすぐ終わり、あっという間に冬が訪れるのだろう。

 

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宿で少しばかり睡眠をとり、登山当日の午前4時。

 

宿から外に出ると、市街には霧が立ち込めていた。

 

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少し不安がよぎるが、予報では天気は上々。

 

いずれ夜明けとともに霧も去ってくれることを信じて、登山口へ出発した。

 

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引用:Google Earth

 

さて、今回の行程は1泊2日。今から向かうのは沼ノ原登山口。

 

トムラウシ山へは、山の南側の新得町トムラウシ温泉からのルートが一般的だが、まさに紅葉適期で駐車場は混雑しそう。

 

せっかくの北海道、憧れのトムラウシ山は静かに大自然に浸りたいところ。

 

沼ノ原からのトムラウシ山は往復40kmを超えるロングコースでトムラウシ温泉よりは人も少ないと見込んで、今回はこちらの登山口を選択した。

 

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夜が明けるにつれ、心配していた霧もすっかりなくなって、空も赤く染ってきた。

 

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国道39号線で層雲峡を越えて大雪湖まで。

 

そこから大雪高原温泉に向かう林道へ入り、さらに進むと層雲峡本流林道のゲートがある。

 

期間中は施錠なく、鎖が巻きつけられているだけなので、一旦下車してゲートを開け先へ進む。

 

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クチャンベツ川を遡上するように道は伸びており、道路の仕様は駐車場まで砂利道。

 

日高の元浦川林道よりは幾分安心な道。

 

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北海道の林道は本州とは程度の違う荒れ具合なので、登山口まではいつも極度の緊張。

 

ここは作業道ではないのか?と思える程悪路の場合もよくある。

 

沼ノ原までの林道は、えぐれた箇所もなく、不安にならない程度のダート感でひと安心。

 

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登山口には20台程度駐車可能。

 

この日は沼ノ原の登山口でさえ、朝6時半には駐車場はもう満車。

 

以降に到着した車たちは、林道の空きスペースに順次駐車せざるを得なかった。

 

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午前7時、いざトムラウシに向け出発。

 

駐車場の奥に登山口と入林届ボックスがある。

 

道は左右に分かれて二手に伸びているが、左は旧道。

 

10分ほどで結局合流するものの、右の新道の方が整備されていて歩きやすい。

 

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始まりの傾斜はいたって緩やか。

 

朝露か今朝の霧が原因か、登山道脇の笹はしっとりと濡れている。

 

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クチャンベツ川を何度か渡る。

 

しっかりと丸太の橋が取り付けられているので、渡渉で濡れる心配はいらない。

 

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また、登山道に笹が被ることもなく、しっかりと手入れされているため、問題なく歩きやすい。

 

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ただ、所々にある泥沼のような水溜りは困った。

以前登ったニペソツ山の幌加温泉ルートもそうであったし、大雪山系の登山道ではよくあることのようであるが、泥除けを持っているならば必ず装着したい。

 

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登山口から歩き始めて1時間が近づいたあたりから、徐々に登山に傾斜がついてくる。

 

とはいえ登山口の標高は既に1,100mを超えており、次の目的地となる大沼までの標高差は300m程度。

 

既に緩やかな登山道を登ってきているので、傾斜もそこまできつくはない。

 

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地面には枯葉がちらほらと。

 

山の中腹でさえも、もう秋模様。

 

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駐車場が満車だったとはいえ、それでも本州の有名な山より人は格段に少ない。

 

ヒグマ対策として、熊鈴を響かせることに加えてホイッスルも定期的に吹いてみる。

 

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前日の雨で濡れた地面とは裏腹に、強い日差しの攻撃を頭上から受ける。

 

時刻は午前8時近く。日もすっかり昇りって暑くなってきた。

 

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登山口から約1時間半。傾斜が緩くなっって少し経った頃に景色が開けた。

 

沼ノ原の湿地帯の入り口まで来たらしい。

 

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ここからは木道が敷かれ、平坦で快適な道が始まる。

 

登山口から2時間もかからずにこの絶景。人の気配も少なく秘境感が十分にある。

 

お手軽が故に観光客に開発されることなく、これからも静かなままでいてほしい。

 

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手前には黄金色の草原、奥には紅葉の台地。

 

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沼ノ原は深い青。

 

奥に鎮座するトムラウシ山は威風堂々。

 

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振り返ると石狩連峰。

 

ここからの存在感は、トムラウシをも凌ぐ。

 

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大きいのから小さいのまで、草原に沼が無数に点在している沼ノ原。

 

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一番大きい大沼は、テント泊の指定地になっている。

 

普通の天気であれば、駐車場の駐車台数分のテントが張れるスペースは十分ある。

 

争奪戦の心配はいらないはず。

 

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ただ、沼畔にテントを張るため、前日雨が降った場合は陸地の一部が水没したりと若干の影響は受けそうか。

 

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こんな景色の中でテント泊できるなんて、素晴らしい贅沢。

 

もしトイレがあれば、立地も含めて文句なしで日本一になれると思う。

 

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秋の沼ノ原は異国の情緒。

 

快晴無風で鏡のような水面。

 

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沼ノ原分岐。

 

左に行けば石狩岳、自分は五色岳経由でトムラウシを目指す。

 

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沼ノ原からもよく見える五色岳。

 

名前のとおり、まさにこの時期はカラフルに染まっている。

 

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約1kmに及ぶ沼ノ原の平原を楽しんだあとは、その先へ抜けて五色岳に向かう。

 

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沼ノ原を抜けて少しすると、五色岳への登り返しのため一度下る。

 

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下ること50m。

 

鞍部には五色の水場と呼ばれる小川があり、ここで給水が可能。

 

大沼キャンプ指定地の水よりは、飲料水に使いやすそうだった。

 

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下った後は、もちろん登り返し。

 

沼ノ原の標高が約1,450m、鞍部の五色の水場が約1,400m、五色岳が1,868mなので、当然これからは登り一辺倒になる。

 

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ただ、五色の水場へ降った分を登り返したあとは、五色岳の山容に違わず緩やかな登りが続くため、それほどきつい傾斜ではない。

 

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鞍部から登り返しにかけて植生が変わったのか、より景色が色とりどりになってきた。

 

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一度下げた標高も登り返しでしっかり高さを戻し、後ろを振り返ればまた石狩連峰と対面。

 

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どっしりた山体の割に、よく見ると頂上付近は鋭利な部分もあり格好いい。

 

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石狩岳から少し右に目を向けると、東大雪の鋭峰ニペソツ山。

 

こちらも系統は違えどやはり格好いい。

 

ちょうど1年前に登った山で、余計に愛着を感じる。

 

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法学的には南側、十勝平野方面。

 

左奥にうっすら見えるのは日高山脈だと思われる。

 

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五色岳方面、進行方向は青空が見えるものの雲は多め。

 

太陽が雲に遮られると薄手の長袖だけでは寒い体感。

 

休憩時には軽く上着を羽織る。

 

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登り返しを終えて傾斜が落ち着くと、沢沿い歩きに変わった。

 

水量は少なくほぼ枯れ沢で、踏み場を気をつければ全く問題ない程度。

 

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たまに沢を離れたり、また近づいたりしながら大雪山の奥地へと向かっていく。

 

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何度後ろを向いても確認できる石狩岳

 

五色岳まではひたすら西に直進するため、ずっと東大雪の山々を背にして登る。

 

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五色岳の手前は五色ヶ原と呼ばれ、オアシスのような平原が広がっている。

 

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唯一の欠点を挙げるとすれば、木道が脆いのなんの。

 

朽ちた部分を踏んでしまい、躓きそうになったことも数度あった。

 

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ニペソツ山の手前には数時間前に通過した沼ノ原の台地。

 

進んできた道のりを確認しても、傾斜がきわめて緩やかに見える。

 

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五色ヶ原からのトムラウシ展望は圧巻らしく楽しみにしていたのだが、残念ながら雲の中。

 

全く見える気配がないのでしょうがない。

 

行程は往復なので下山時に期待を残しておく。

 

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山頂にかけての道のりも平原の延長線上のようなもので、直登しているにも関わらずあまり息は上がらない。

 

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クチャンベツ登山口から5時間、沼ノ原からは3時間で五色岳の山頂に到着。

 

景色に時間を取られていたこともあり、ペースはゆったり目。

 

時刻も12時を回り、空には少し雲が増えてきた。

 

 

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山頂の看板はなく、案内標識に山名が書かれている程度。

 

その標識ですら、ハイマツの海に溺れかけていて全然目立っていない。

 

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五色岳から、忠別岳方面。

 

黒い雲が少し邪魔するけれど、裾野にかけては見事な色付き具合。

 

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次に目指すは本日の宿、ヒサゴ沼避難小屋。

 

沼ノ原からはるばる五色岳を越え、ここから先は大雪山の主稜線を歩く。

 

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環境が過酷なためか、ここも木道の風化具合が酷い。

 

息は上がっていないが、既に登山開始から6時間近く経過し、足の疲れが出てき始めている。

 

こういう時間帯で何気ない場所こそ転倒しやすいと、やっと最近分かってきた。

 

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9月の草紅葉も圧巻だが、初夏に訪れて一面のお花畑となったこの場所も歩いてみたい。

 

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五色岳から1時間歩くと、化雲岳山頂とヒサゴ沼分岐への巻道との二股に到着する。

 

曇りがちの天気に変わってきたし、早く宿で荷物を下ろしたいので今はパス。

 

明日、帰路中に天気が良ければ山頂へ寄ってみるのも良い。

 

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巻道の途中で、何かを加えたキツネに遭遇。

 

ぱっとみた感じウサギに見えたのだが、果たしてそれを食べるのだろうか。

 

いずれにしても、北海道の大自然が垣間見えた瞬間だった。

 

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あの上に出れば、一旦今日の登り行程は終わり。

 

あとはヒサゴ沼避難小屋までゆっくり下りていくだけ。

 

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尾根へ出たあとは、奥に小さく見えるヒサゴ沼分岐までなだらかな荒原を少し進む。

 

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ヒサゴ沼分岐へ到着。

 

トムラウシ山へはこのまま進むが、もちろん今日中に行く時間も余力も残っていない。

 

当初の予定通り、ヒサゴ沼避難小屋へ向かうべくここは東へ曲がる。

 

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ヒサゴ沼はトムラウシまでの表大雪縦走路の東側斜面の下に位置する。

 

というわけで、またご登場の東大雪の山々。

 

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久しぶりの再会に気持ちが上がり、広角レンズで東大雪の山々を撮影。

 

表大雪と東大雪のちょうど真ん中あたりに位置する沼ノ原は、まさに展望台の適地であるのが分かる。

 

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登山道に視線を戻すと、ここも赤く染まるチングルマの絨毯。

 

高山植物に全く知識はなくとも、これだけ至る所にあれば嫌でも名前を覚えてしまう。

 

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ヒサゴ沼分岐から15分少々で、遠く避難小屋が目に入ってきた。

 

ひとまず今日の目的地が見えて、ひと安心。

 

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ヒサゴ沼の奥にたたずむトムラウシ山だけは、まだ雲をまとってご機嫌斜め。

 

こんなに四方は晴れているのに。

 

一晩寝かせるから、ちゃんと機嫌を直して欲しい。

 

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横幅の狭い階段が出て来れば、もう避難小屋は近い。

 

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まずはヒサゴ沼の湖畔に到着。

 

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ここから湖畔沿いに東へ少し歩く。

 

なんとなく以前訪れたシベリアのバイカル湖に似た、物憂げな雰囲気が良い。

 

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登山口から7時間、五色岳から2時間で本日の宿となるヒサゴ沼避難小屋へ無事到着。

 

一昨年に改修工事を終え、外観はとても綺麗。

 

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どうやらまだ誰もいない様子。

 

建物内は2階建になっていて、階段は細い鉄製でとても冷たく、足が攣りそうになるタイプのもの。

 

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柱が少ない分、少しだけ2階の方が広く見えるかもしれない。

 

一番乗りのようなので、この場所を宿泊スペースとして確保したのち、少し小屋周辺を散歩してみる。

 

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小屋横に2つあるトイレ。

 

使い方がおかしいのか、なぜか外からも鍵が開けられてしまう。

 

この数時間後、予想通りトイレ中の他人と鉢合わせた被害者(加害者?)となってしまった。

 

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トイレ内の構造は、至って単純なぼっとん式で、地面も板を切り抜いただけ。

 

暗闇の中、糞尿の穴に落ちないよう夜は特に注意が必要。

 

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テント場は小屋の前。

 

目の前が沼という、大沼キャンプ指定地に似た路面状況。

 

大沼よりは狭いものの、詰めれば数十張は設営可能か。

 

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やがて夕刻になり、霧が立ち込めて、風も強くなってきた。

 

明日の天気は果たして大丈夫だろうか。

 

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小屋の2階に避難してなお、さらに強く風がびゅうびゅう聞こえる。

 

天候が改善しなければ明日のトムラウシ登頂は難しいかもしれない。

 

不安を抱えながらもやがて日は暮れ、そしていつの間にか眠りに落ちた。

 

中編

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後編

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