散切り頭を叩いてみれば

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山と旅行の見聞録

散切り頭を叩いてみれば

慕田峪長城 荒涼とした万里の長城を目指す旅

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慕田峪長城への旅、後編。往復15kmのトレッキング。

未舗装の道あり、靴は砂で薄汚れた。

中国北東部の山々と、中国らしい霞がかたった景色が良かった。

 

※  今回自分が通ったコースは一応ツアーや露店もあり通行可と判断したが、後日ネットで一部立入禁止という記述を発見した。実際に立ち入っている観光客は大勢いるが、本来は禁止されている可能性もあるので、今後訪れる際は現地で必ず要確認。

 

行き方はこちら。

yugataquintet.hatenablog.com

 

ルート概要

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リフトに乗って長城到着。左に進んで地図のその先へ。

 

慕田峪長城にはリフトで登り、左のロープウェイ降り場方面に進む。

ずっと進むと最終的には箭扣長城という別の場所に繋がるらしいが、時間の関係と安全上、今回は見晴らしの良い中間地点あたりで引き返した。

 

入場〜リフト降り口まで

慕田峪長城のチケット売り場に行くと、ロープウェイ往復か、リフトとスライダーの併用かが選べるようだった。


下りのスライダーは1km以上の長さがあるらしい。面白そうなのでこちらを選択。

購入物は、入場料45元、麓までのシャトルバス代往復15元、行き帰りのリフト、スライダー120元の、合わせて3枚チケットをもらった。約3,000円、結構強気の価格設定。

ロープウェイが良くあるガラス窓の乗り物で、リフトはスキーのリフトだった。


やはり年齢層が上がるにつれてロープウェイに乗る人が多く、若者は殆どリフト+スライダーを選択していた。

値段はさほど変わらないから、帰りのスライダーを滑りたいか否かがで決めればいいと思う。(なお、両者で到着する位置が異なるので注意。)

 

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チケットを買った後は入場口へ。
入場券を係員に見せてゲートを抜け、道路両脇の露店を横目にシャトルバス乗り場へ向かう。

 

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開情直後のためか、まだ人は少ない。シャトルバスにもすぐ乗車できた。恐らく、人数が集まり次第出発のする様子。

シャトルバスに乗車後、5分ですぐ下車。おそらく途中にあった村を通り抜けるためだけに運航しているバスだと思う。

 

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下車後は右手の坂を少し上がり、リフト乗り場に向かう。

ロープウェイ乗り場はもう少し上ったところにある。

 

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リフトはスキーの要領で乗れば全然大丈夫。乗せ方は少し雑。

 

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結構高い位置を運ばれる。高所恐怖症の人は大丈夫なんだろうか。

下に見える銀の曲道がスライダーの道。帰りはここを滑り降りる。

 

長城到着

 

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リフトを降りて階段を少し上がると、すぐに長城に着いた。

トイレも散策エリア内数ヶ所にある。いざという時も安心。

 

さて、どっちに歩こう。
少なくとも西方面であれば、ロープウェイ乗降口がある。恐らくそっちが主のコース範囲だろう。

ということで、西に歩き出す。

 

人の少なさは相変わらず。今のところ、朝一番のシャトルバスで到着した客しか長城上にいないんじゃないだろうか。

 

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標高は900mほどあるらしく、北京郊外を一望できる。

霞がかっているのは、やはり黄砂の影響か。

 

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奥にロープウェイも見える。リフトと降り場はこんなに離れているらしい。

 

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さらに歩く。それにしても、しっかり整備された道。
ただ、たまに出現する階段は均等ではなく、段差が大きかったり小さかったり。

ぼーっと歩いていると躓いてしまいそうになる。

 

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掃除のおっちゃんが見ている方向、ロープウェイ乗降口付近が見えた。乗降口は壁から階段を少し下りたところにあり、小規模の売店もあった。

 

ロープウェイに乗ってきた人は、自分が進んできたリフト方面か今から進む西方面、どちらにでも行ける。

正解はないが、西が展望地と書いてあったからか、西に向かう人が殆どだった。

 

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ロープウェイ付近だから、ここらから少し賑やかになってきた。黄色い旗には「漢」と書かれているが、意味はよく分からない。


慕田峪長城は、良くも悪くも観光への熱があまりないように見えた。長城上に案内が殆どなく、今自分がどの位置にいるのかよくわからない。

 

奥の山にはてっきりハリウッド方式で「慕田峪長城」と書かれているものだと思っていたが、よく見ると「忠於毛主席」(毛沢東に忠誠を)と書かれていた。色々と中国すごい。

 

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随分と道を歩き、何度も城の中を通り抜けると、数百段の階段ゾーン。

展望地までは非常にきつい。勾配が急で、休み休み登る。

 

ここのてっぺんで一旦の区切り。門が閉まっており、人が大勢滞留している。

隅で飲み物を販売しているおばさんもいた。終着地ということもあって、ここだけは人だかりができていた。


ただ、ここで終わりと思いきや、さらに奥にも何人か人がいる。見ていると、門の横からさらに何人も奥へ進んでいく。
そういえばと、ネットで見た慕田峪長城からその先の箭扣長城を踏破するツアーを思い出す。

まだまだ歩ける場所が続いているのならと、自分もさらに先に進むことにした。(※注)

 

その先へ 

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再度登り始め、普通の登り道。

少しずつ雑草が増え始める。まだこのあたりは、カップルたちが楽しそうに自撮りしている。

 

 

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道も狭くなってく。

中国人のおじさん一人に声をかけられる。日本人なので中国語が話せないと伝えても横でしばらく笑っている。結局何を伝えたかったのかわからなかった。

 

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もう観光地の面影はなくなった。

正直、もし通行禁止ではなかったとしても、安全面に不安があるので決して勧めはしない。

 

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こんなところにも、ツアーガイドらしき人や物売りのおばさんがいて、それを買う欧米人がいる。

 

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木々も増えてくる。ここらがさすがに潮時と思い、次の山で引き返すことに決める。

見る限り一番高い場所なので、目標には丁度いい。

 

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入城から2時間弱。山頂に到着。まだまだ道は続いているし、ちらほらと逆方面からも人が来ている。どんなルートを越えて来たんだろうかと心配になる。

あまり長居してもいい場所じゃない気がして、すぐに引き返す。

 

帰路 

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帰り道も慎重に。

 

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 整備されたルートまで復帰。人は相変わらず少ない。来た道をそのまま引き返すのみ。

もちろん自分は、リフト降り場と同じ位置にあるスライダーの乗り場まで歩く必要がある。

 

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スライダー乗り場へ。

 

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1km以上のスライダーと聞いて、お尻が擦り切れるんじゃないかと若干心配していたが、黒い乗り物に乗って滑るみたい。安心した。

股の間にブレーキバーがあり、これを操作すると結構安全に滑れる。

なお、写真撮影しながらの滑走は駄目らしく、道中のスタッフに怒られるので注意。

 

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無事スライダーを降り、シャトルバスに乗って帰着。

昼飯を脇の店で食べて一服したのち、出口へ向かう。

 

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 退場。朝8時に到着し、戻って来た時には15時になっていた。非常に足が疲れた。

 

総括

慕田峪長城は、事前情報どおり人が少なく、落ち着いて観光できる万里の長城だった。

どうせ海外まで来て景色を楽しむためには、やっぱり人をできるだけ視界に入れたくない。

そんな希望がある人が万里の長城に行くなら、八達嶺長城より少しアクセスは悪いが慕田峪長城は必ず思い出に残ると思う。