個人的に登山旅の道中で聴きたくなる音楽 10選
山で音楽を聴く機会があるだろうか。
私は、登山の際必ずイヤホンと音楽プレーヤーを持っていき、曲を聴く。
もちろん、通常の歩行中に音楽を聴くのは、周りへの注意が散漫になり危険である。
すれ違いに挨拶もせず道をすれ違うのも人としてどうかと思うので、その意味でも歩行中に出番はない。
実際主な出番は山頂に着いた後の休憩中、もしくはテント場に着いた後にする散歩の時など。
登山の行程中でも、ぼーっとできる状況に音楽を聴くことが多い。
私は特に一人で登山することが多いので、いわば音楽が暇つぶし、話相手の代わりの要素もある。
また、百名山などの人気の山に登ると、山頂が老若男女で大盛況ということが多く、そういった場所では案外聞きたくないような話をしている人の話ばかり聞こえてくることも。
せっかく景色は良いのに周りの登山集団の下品な話が耳に入り、絶景を前にして非日常に浸れない。
そんな時、イヤホンと音楽プレーヤーがあれば俗世との断絶が容易になるため、非常に重宝している。
山で音楽なんて邪道だという意見も多いと思うが、長ければ一回の山行で丸何日もの時間がある中、ほんの数十分音楽を聴くのも悪くないよな、と私は個人的に思う。
ただ、山で音楽を聴く際、少し不満な事がある。
夏が近づけばアウトドア系の曲が出るものの、イメージされるのは海ばかり。
どうせ山中で音楽を聴くなら、濃厚な恋愛歌や海最高!的な歌ではなく、その状況を邪魔しない山に合う曲は、案外少ないのだ。
そこで今回は独断と偏見により、数少ない「登山旅に合う曲」を10曲、自己満足と備忘録を兼ねてここに綴る。
- フジファブリック:Green Bird (2015)
- [Alexandros]:Adventure (2014)
- 森山直太朗:生きとし生ける物へ (2004)
- Oasis:Whatever (1994)
- Of Monstars And Men:Mountain Sound (2012)
- Jose Gonzalez:Step Out (2013)
- Steerner&Maetell:Sun (2015)
- 久石譲:Summer (1999)
- 高木正勝:きときと-四本足の踊り (2012)
- Orengestar:快晴 (2017)
- 番外編. となりのトトロ:さんぽ (1988)
フジファブリック:Green Bird (2015)
2000年結成のバンド、フジファブリックの一曲。
曲のタイトルの響きから、すぐに爽やかな気持ちになれる。
私は良く聴くのは登山口の駐車場。
仮眠後、朝露に濡れてまだひんやりとした登山口あたりにベストマッチ。
イントロから早速自然溢れる旅の始まりの風を感じるため、軽くこの曲を鼻歌交じりに山装備に着替えること多し。
[Alexandros]:Adventure (2014)
日本のバンド、[Alexandros]の2014年発売のシングル。
特に全面的に自然を押し出した曲ではないが、私の中では山でよく聞く曲の一つ。
曲名も旅感があるし、2番にいたっては「晴れ渡る8月の亜麻色に染まった山脈」という歌詞もあるので、あながち山に遠い曲ではないと勝手に思っている。
歌いだしから雨を感じさせる曲調。
午後から好転するという予報を望みに雨の林道歩きをする時、この曲に耽ることが多い。
森山直太朗:生きとし生ける物へ (2004)
森山直太朗の5枚目のシングル。2004年発売。
既に大きな勘違いだが、大自然は我とともにあり、という気分になれる曲。
この曲を聴くといつも、目の前の山並みを俯瞰した気分になり、心が旅し始めるつもりになる。
視力は0.1以下にも関わらず、気持ちは勝手に4K映像という感じ。
頭の中ドローン大縦走ごっこである。
「脳内お花畑」の山男バージョンは、こういった症状のこと言うのだろうか。
ちなみに、旅の帰路は「夏の終わり」を聴くに限る。
Oasis:Whatever (1994)
イギリス・マンチェスター出身の世界的バンドで、日本でこの曲はCMでやたらと使われるイメージがある。
丁度合う場面はテント場で時間を持て余している時間。
別のテントで仲間内で盛り上がる他の客を後目に、ぼーっと景色を見ながらこの曲を聴いていると、自分が一番高尚な過ごし方をしているように勘違いできる。
まあ手っ取り早くいうと、この曲を聴いているといい感じに自分に酔える。
Of Monstars And Men:Mountain Sound (2012)
2010年にアイスランドで結成されたバンド。
そしてこの曲は、曲名から山がつく稀有な存在。
聴くとまさに曲目にふさわしく、山行中であれば場所を問わず合うので、いろんな場所でよく聞いている。
ちなみにこのバンドは他にもたくさん山に合う曲があっておすすめ。
例えば、PVからして「Dirty Paws」は雪山を彷徨う時にぴったりだ。
Jose Gonzalez:Step Out (2013)
2013年公開の映画[LIFE!」のサウンドトラックの一曲。
ベン・スティラー主演のやつ。
歌詞は殆どないようなものだが、曲調が壮大で素晴らしい。
個人的にこの曲もすごく好き。
どちらかというと、近所の里山で聞くというよりも、巨大な山塊を縦走するような大きな旅の始まりに聞きたい曲である。
Steerner&Maetell:Sun (2015)
EDMではこの曲を特に気に入っている。
明け方、徐々に空が明るくなってきても、案外太陽が顔を出すまでに時間がかかる。
寒い時に気を紛らわすために音楽を聴くことも多いが、そんな時にこの曲を聴くことが多い。
綺麗なご来光を拝み、この曲を聴き終わった後はテンポ良く「さあ、出発するか。」という高揚感が得られる。
久石譲:Summer (1999)
1999年公開の映画「菊次郎の夏」のメインテーマ。
麦わら帽子で近所の里山を駆け回った思い出なんてないはずなのに、なぜかこの曲を聴くと懐かしい気分になる。
大人になった今、里山でひとりこの曲を聴きくと、(そんな過去はないにもかかわらず)少年時代に懐かしみを覚え、そして咽び泣く。
高木正勝:きときと-四本足の踊り (2012)
アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」サウンドトラック。
そろそろ体に老いを感じてきた私でも、この曲を聴くとホップステップジャンプで飛び立てそうな気持ちになる。
もちろん一番聴きたくなるのはアルプス。
この曲を聴きながら水場で水を飲むと、2割増しで美味しく感じる。冗談抜きに。
ちなみに、「きときと」とは富山の方言で新鮮という意味らしい。
Orengestar:快晴 (2017)
ボカロP、Orangestarが2017年に作成した楽曲。
正直ないところ、ボーカロイドを侮っていた。
大自然に機械の声はきついわ、と、一見相容れないもののように思っていた。
ただ、ボカロの声は洋楽と同じで過剰に歌詞の意味が入ってくることなく、景色を邪魔をしないことに最近気付く。
番外編. となりのトトロ:さんぽ (1988)
1988年のジブリ映画「となりのトトロ」のオープニングテーマ。
10曲の中に入れるのは何か違うので番外編としたが、 意図的に頭のねじを外したい時よく聴く曲。
急登続きで挫けそうな時や、数時間全く展望が変わらず気が狂いそうな時、そんな時にこの曲を聴くと、程よく知能指数が低下し、思考が麻痺できる。
「今どれくらい進んだだろうか。何故休日に、好き好んでこんな苦行をしているんだろうか。」
.考えるだけ無駄、馬鹿になった者勝ちな行程も、案外ある。
そんな時にはこの曲。
どんなに身体がボロボロでも途端に気分は高揚。
無駄な邪念は即座に取り除かれ、知能指数は瞬く間に6歳に低下。
私はげんき!歩くのだいすき!
合法ドラッグと私は呼んでいる。
ちなみに、2019年にB&G財団が行った「山の歌といえば?」というアンケートによると、
1位 山男の歌 (ダークダックス)
2位 森のくまさん (童謡)
3位 さんぽ(となりのトトロ)
とのこと。
1位に至っては全く知らない。
同じく実施されたアンケート「海の歌といえば?」のラインナップより、山の方が遥かに底知れぬ老いを感じる。
私自身も実際、山に合う曲のレパートリーが増えず、中々苦戦しているところである。
令和のうちに、もっと沢山の山歌が流行してほしい。
第2弾